2022年夏に開催した、ちいここ福井ツアー。参加者の感想とともに、レポートします!
開催概要
○日程
2022年8月10日(月)〜8月12日(水)
○参加者の所属(当時)
全日参加:三重大1年、島根大2年、神戸大2年、島根大2年
3日目から合流:島根大1年、金沢医科大4年、琉球大5年
スケジュール
1日目
13:00 福井駅集合
15:00 玉村屋・中谷さんご講演+質問時間
17:00 夕食・交流時間
宿泊 玉村屋
2日目
8:00 玉村屋出発
10:00 高浜町保健福祉センター オリエンテーション
11:00 和田公民館 館長と懇談
周辺散策
12:30 昼食、ランチョン(UMIKARA)
13:30 まちなか交流館 館長と懇談
15:00 ミニ講座
海透 優太先生(JCHO若狭高浜病院)
安原 大生先生(JCHO若狭高浜病院 /福井大学医学部プライマリケア 講座)
17:30 まとめや振り返り
20:30 Sammie’s着
21:00 街中スナック訪問
3日目
8:20 チェックアウト・出発
9:00 入山、受付 お堂へのご案内
9:10 自己紹介(参加者)
9:35 法話「死生観について」
10:10 ディスカッション テーマ「Who are you?」
11:00 座禅、茶礼
13:00 解散

参加者の感想
1日目:3月28日(月)
◯玉村屋 中谷さんご講演
福井県南越前町にて地域おこし協⼒隊を担った後、玉村屋さんを支えている中谷さんよりお話を伺いました。こたつを囲みながら、その人生や玉村屋さんの「第2の実家」というコンセプトについてお聞きしました。


“⾃分のやりたいことと地域に必要なことが重なってい ることを⾏っているのが素敵だと感じました。また、話を聞いていくうちに、⾃分もやりた いことをやろうと思えるようになりました。 “
“「地域まるっと体験宿⽟村屋」のコンセプトが第⼆の実家というところもとても惹かれました。頑張るあなたの頑張らなくていい場所、ふと⽴ち⽌まった時に背 中を押してくれる空間、その時にしかできない過ごし⽅など、休憩がてら楽しめる素敵なことが詰まった場所でした。 私も⾃分らしい発想を⾒つけていきたいと思いました。”
“思い込みが危険であるということ。自分は相手にとってよかれと思ってすることも、それは時に自分のエゴの押し付けになりかねないということを、日常生活から色んな人と接するときから、もっと意識していきたいと強く感じました。それは医療者になってもそうあり続けたいと思います。”
“第二の実家というコンセプトで私たちを受け止めてくれた玉村屋さんは本当に温かみがあって居心地がよかったです。世間話をするかのようにこたつで丸くなって、中谷さんのお話を伺ったのはとても落ち着く時間でした。”
“「地方って宝物だらけ」-私が地域に対して感じていた憧れやときめきを詰め込んだ言葉を中谷さんからいただいた。田舎暮らしに対して、憧れを抱き、住民として生きるためには「医師」として活躍することが、私ができる貢献だと思い込んでいた私から見えた中谷さんの活動全ては、キラキラしていた。「地域おこし」は壮大な言葉に聞こえて、誰にでもできることではない、そう感じていたが、中谷さんが考える「地域おこし」は私でもできるかもしれない、という自信をくれた。”
2日目:3月29日(火)
◯高浜町地域医療・健康のまちづくり見学
高浜町で医学教育と地域医療を担う傍ら、まちづくりに尽力される様々な方々と交流を持たれ、地域活性化に取り組まれる井階先生のご案内の元、高浜町保健福祉センター見学、和田公民館・村宮館長との懇談、まちなか交流館・浅野館長との懇談を行いました。
“福井県⾼浜町和⽥公⺠館にお邪魔して、館⻑のお話を聞き、私もいろんなことに挑戦していこうとモチベーションが⾼まりました。”
“公民館で行われている多くの取り組みにとても驚き、住民の方々にとってかけがえのない場所なのではないかと思う公民館と初めて出会いました。”
“様々な事業、そして若者がまちで仕事をつくり働き続けられるような教育もしていらっしゃり、そんな浅野さんが素直にとてもかっこよく、また高浜に行き、色々勉強させていただきたいと思いました。”
“むらみん館長は、地域の魅力を理解し、掘り下げたうえで地域の人に対してはよりまちに愛を持ってもらうような企画をセッティングし、他地域の人へはその良さを発信し続けておられ、「これこそが公民館なのか」と目を開かれた気持ちでした。”
“まちなか交流館では、浅野さんのパワフルさとしなやかさに惹かれました。デジタルを有効に活用しながら、まちのひと、まちの資源とじっくり関係を築かれていました。”
“誰かに貢献している素敵な方たちは、総じていろんな人と話すことで周囲に対するアンテナを常に張り、周りの人たちのため、そして自分も楽しんで、伝えて行動を移している。むらみーのフットワークの軽さに触発されて、私も何か生み出したいと感じた。”
“特に浅野さんの考え方で勉強になったのは、「ありのままを受け入れる」こと。地域住民と同じ目線を持つように、何かを与えるのではなく、一緒に考えていくことが大事だとお話しいただいた。浅野さんが大切にされていることは、今、私も大切にしたいと思っていることになった。”

○井階先生ランチョンセミナー @UMIKARA、JCHO若狭高浜病院・海透医師、安原医師のミニ講座
UMIKARAにて、おいしいお昼をいただきながら、まちへ飛び出してご活躍される井階先生の取り組みについて伺いました。JCHO若狭高浜病院では、地域医療を担い、積極的に医学教育に臨まれている海透先生、安原先生からお話を伺いながら、「もしバナゲーム」に取り組んでみました。
“地域は変わっていき、問題は次々と出てくるた め、1つの問題を解決しても変わらず、どんな問題も解決できる仕組みづくりが必要である と学びました。”
“自分の苦手なとこを認め、得意なことも認め、色んな人と関わり合いながら助け合えるような人になりたいと思いました。将来どのように働きたいか、まだまだ定まっていない状態ですが、自分が楽しいと思えることに素直に進んでいこうと思いました。”
“病院でも、まちを健康にするぞという熱意はすさまじく、海透先生 や安原先生が、日々アップデートし続ける医学に向き合い、時代の流れを先読みしながらも、 常に目の前の患者を思い、向き合われるお姿に感銘を受けました。”
“もし余命が残りわずかであるとき自分が大切にしたいことをゲームを通じて話した。ゲームとはいえ、かなり重い話であったが、大切にしたいことは人それぞれであり、理由を聞いていくとどれも尊重されるべき考えだと感じた。…今生きていることに対して感謝し、近い将来に出会う患者さんたちの思いを理解はしてあげられないが「想像できる」医師でありたいと感じた。”
3日目:3月30日(水)
◯大安禅寺 高橋さまご法話、座禅体験
UMIKARAに大安禅寺にお邪魔し、高橋玄峰和尚から「死生観について」をテーマに法話をいただきました。禅の死生観について触れ、それぞれで生と死の意味について学びました、また、ワークショップとして「Who are you?」を行いました。二人ずつのチームで「あなたは何者ですか。」と問い続けながら、自己と向き合いました。最後に、5分ほど座禅を行い、自己と、今回の3日間を振り返りました。

参加者感想~座禅体験及び3日間を通じて~
“いのちとは何か、そもそも自分とは何かなど書き切れないほどの気付きをいただきました。そしてその多くは、私ひとりで考えているだけでは得られないものでした。集まった7人で時間と空間を共にし、げんちゃんの問いに対する様々な答えを聞くことで、私の考えが深められていきました。”
“地域医療を知り、考える一環として、 福井県臨済宗のお寺、大安禅寺の高橋玄峰さんのところを訪問しました。 1 度オンラインでお話を聞き、行ってみたいと思っていた場所でお会いしたいと思っていた方でした。 ここで、禅と死生観、自分は何者なのかという問いについて考えました。 … 生とは何か、死とは何か、根本的なことで、いのちに向き合うことが求められるにも関わら ず、あまり考えたことがなかった自分に気づきました。正解はありませんが、考えていくべ きことだと思います。”
“「あなたは何者ですか?」と自分に問い続ける試みは初めてで、とても単純な問いであるのに自分とは何かについて深く考えさせられる面白い問いでした。7つ8つ答えていくと言葉が次第に出てこなくなり普段自分では考えていないはずのことや一見矛盾する感覚が自分の中に共存していることに気付き、今まで意識してなかった自分に出会えました。参加した皆とも各々の様々な自己表現を共有できて素直に楽しかったです。”
“この 3 日間は、これでもかというほど自分自身と向き合った時 間でした。訪れる先々で、出会う人は皆そのまちの魅力を知り、まちのため、人のために奔走される方々でした。皆さんがまちを愛し、それぞれの取り組まれていることを、時に悩みつつも心から楽しんでおられました。そんな姿を目の当たりにするたびに、福井の魅力を知ると同時に自分自身に対する思考を深めていきました。”
“「あなたは何者ですか?」と 題されたこの体験では、自分でも思いもよらない単語があふれ出てきたことに、大きな衝撃 を受けたことを思い出します。普段思っていること、考え、感じていることの奥底には、想 像もしない感情や言語化されていなかった発見、興味、疑問が尽きないのだなと驚き、意識 して心の声に耳を傾ける事、その時間をとろうとすることの重要性、また難しさを実感しました。”
“自分が関わりたいと感じたことに積極的に足を運んでいることは決して無駄ではなかったこと、何年かかるかわからないが、自分ができるかもしれないという可能性を感じたこと。福井を訪れて、大切な仲間と過ごした2泊3日は間違いなく私の人生で財産となる旅となった。”
“今回⼀緒に旅をしたのはほとんどオンラインでしか会ったことのない仲間でした。そんな仲間と初めてオフラインで会って、⼀緒に旅をして、たくさん話して、仲良くなれたことが今回 1 番の思い出でした。”

企画によせて
コロナ禍で直接仲間に会ったり、また現地にいって肌で感じて学んだりする機会が減っていること、知識として学ぶということも大切ですが、その場所でしか感じられない空気を感じたり、直接人に会うことの大切さと楽しさがあると感じていたため、今回たくさんの方々の御協力があり、このような素敵な企画を実施させていただくことができました。このような企画をしたいと思った自身の想いを少し書かせていただきます。大学に入り、コロナ禍でスタートした1年生の5月、同大学の素敵な先輩との出会い、そしてオンラインでの素敵な方々とのご縁があり、今の自分があるなと強く感じています。大好きな先輩方や、先生方と出会うことができ、自身の医療の道に来た想いを受け止めてもらい、そして色んな機会に誘ってもらったり、たくさんの方に出会わせてもらいました。ここまでこれているのは、その様々な機会が何よりも楽しく、心動かされる機会が多かったからだと思います。もちろん楽しいだけではなく、刺激の多さにしんどくなるときもありました。自分自身一人では無力であること、そして本当に素敵な人たちに恵まれていると感じたからこそ、素敵な人たちがいることを伝えたり、ちょっとしたきっかけ、楽しいと思える機会を少しでもつくったりする人になりたいと思いました。このような経緯があり、お世話になっている方々のおかげで実現することができました。企画をした身としては、参加してくれる人、先方の方々の時間を使っていただくからこそ、双方にとっていい時間に少しでもしたい、できなかったらどうしようと始まるまではそんな不安も正直ありました。ですが、普段会えない友人たちと会い、普段語り合えないことも語り合ったり、何より受け入れてくださる方々があたたかく、不安に感じていたことはすべて吹っ飛びました。そして、自分自身に丁寧に向き合うこともできた3日間でした。1年前に私は福井に行かせていただいたのですが、同じものを見て、同じ人に会ったときに感じることが変化していて、自身の変化を感じることもできました。また最終日、大安禅寺に行かせていただき、死生観についてお話いただきました。今自分が生きていること、ただ生きていて、どんな姿の自分も全部それが自分だと。私自身が、自分のことをただそのまま今まで以上に受け入れてあげられた気がして、心が楽になりました。学びが多いだけではなく、自分の心も大切にでき、2泊3日、私自身がとにかく楽しい、幸せな時間でした。協力してくださった方々、今回一緒に参加してくださった方々、本当にありがとうございました。(企画代表)